重症心身障害児(者)の呼吸機能特性―肺炎既往の有無と1回換気量・呼吸数の関係

要旨:〔目的〕本研究の目的は, 重症心身障害児(者)(以下, 重症児(者))における過去2年以内の肺炎既往の有無から見た呼吸機能特性を検討しその特徴を明らかにすることである. 〔対象〕茨城県立医療大学附属病院にリハビリテーション目的で入院した睡眠時血中酸素飽和度が正常な重症児(者)15名とした. 〔方法〕保護者に対する直接インタビューにより肺炎既往の有無を確認し, 安静睡眠時の1回換気体重比, 呼吸数を指標として検討を行った. 〔結果〕肺炎既往がある重症児(者)では肺炎既往のない児と比べ, 睡眠時の1回換気体重比では差はないが呼吸数が有意に多い状態であった. 〔結語〕肺炎既往のある重症児(者)...

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Published in理学療法科学 Vol. 24; no. 4; pp. 505 - 508
Main Authors 栗田英明, 水上昌文, 新田收
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 20.08.2009
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ISSN1341-1667

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Summary:要旨:〔目的〕本研究の目的は, 重症心身障害児(者)(以下, 重症児(者))における過去2年以内の肺炎既往の有無から見た呼吸機能特性を検討しその特徴を明らかにすることである. 〔対象〕茨城県立医療大学附属病院にリハビリテーション目的で入院した睡眠時血中酸素飽和度が正常な重症児(者)15名とした. 〔方法〕保護者に対する直接インタビューにより肺炎既往の有無を確認し, 安静睡眠時の1回換気体重比, 呼吸数を指標として検討を行った. 〔結果〕肺炎既往がある重症児(者)では肺炎既往のない児と比べ, 睡眠時の1回換気体重比では差はないが呼吸数が有意に多い状態であった. 〔結語〕肺炎既往のある重症児(者)では睡眠時の呼吸数が多い状態である可能性が確認され, 安静睡眠状態でも効率の悪い呼吸パターンが持続していることが唆された.
ISSN:1341-1667