FDG-PETによるTリンパ性腫瘍の残存病変の評価
初診時に縦隔腫瘤を有していた小児T細胞性腫瘍患者に対して, 治療終了後に18-fluorodeoxyglucose (FDG) -positron emission tomography (PET) を施行し, 縦隔に残存する腫瘤性病変の鑑別診断を行った.FDGの集積は5例中4例に認められ, うち2例が再発した.1例は臨床的にも再発が認あられた時期であったが, 同時期に試行したGaシンチよりもPETのほうがより明瞭に病巣を描出していた.他の1例は集積を認めた3カ月後に再発した.この症例のFDGのstandard uptake valueは, 再発時に上昇, 再導入療法後に低下し, 病勢をよく反...
Saved in:
Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 18; no. 1; pp. 29 - 34 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
29.02.2004
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.18.29 |
Cover
Summary: | 初診時に縦隔腫瘤を有していた小児T細胞性腫瘍患者に対して, 治療終了後に18-fluorodeoxyglucose (FDG) -positron emission tomography (PET) を施行し, 縦隔に残存する腫瘤性病変の鑑別診断を行った.FDGの集積は5例中4例に認められ, うち2例が再発した.1例は臨床的にも再発が認あられた時期であったが, 同時期に試行したGaシンチよりもPETのほうがより明瞭に病巣を描出していた.他の1例は集積を認めた3カ月後に再発した.この症例のFDGのstandard uptake valueは, 再発時に上昇, 再導入療法後に低下し, 病勢をよく反映していた.PET陽性のうち残りの2例は, 治療終了後それぞれ3年, 4年経過しているが腫瘤の増大傾向はなく, 正常胸腺への集積と判断した.またPET陰性の1例では腫瘤は瘢痕組織と考えられ, 治療終了後3年間無病生存中である.FDG-PETは小児T細胞性腫瘍の残存縦隔腫瘤の鑑別法として非常に有力であるが, 正常胸腺との鑑別が困難な場合があり, 注意深い経過観察が必要と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.18.29 |