草本植物根系が斜面表層の安定性に及ぼす影響に関する基礎的研究

植生工はのり面に植物を生育させることで表層地盤を補強する工法である。既往研究により,植物根系が斜面表層に侵入して地盤を緊縛することで,土のせん断抵抗が増加し,その結果として,土の強度定数である粘着力 c や内部摩擦角 φ,またはその両方が上昇することが明らかとなっている。本研究では草本植物を生育させた供試体を作製し,3段階の鉛直応力条件下で定圧一面せん断試験を実施して,植物根系によって補強された土の強度定数を求めた。さらに,得られた土の強度定数を基に無限長斜面を想定した安定解析を行い,植生工が斜面表層の安定性を大きく向上させることを確認した。...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 51; no. 1; pp. 73 - 78
Main Authors 矢尾板 晃弘, 川口 貴之, 川尻 峻三, 横井 竜馬, 宗岡 寿美, 中村 大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 31.08.2025
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ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.51.73

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Summary:植生工はのり面に植物を生育させることで表層地盤を補強する工法である。既往研究により,植物根系が斜面表層に侵入して地盤を緊縛することで,土のせん断抵抗が増加し,その結果として,土の強度定数である粘着力 c や内部摩擦角 φ,またはその両方が上昇することが明らかとなっている。本研究では草本植物を生育させた供試体を作製し,3段階の鉛直応力条件下で定圧一面せん断試験を実施して,植物根系によって補強された土の強度定数を求めた。さらに,得られた土の強度定数を基に無限長斜面を想定した安定解析を行い,植生工が斜面表層の安定性を大きく向上させることを確認した。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.51.73