放射性廃棄物処分場の施設設計におけるALARAとBATの在り方 英国の規制文書における位置づけ

本稿では,英国の放射性廃棄物管理ならびに放射性廃棄物処分場に適用されるALARAとBATの考え方を明らかにすべく,規制関連文書を調査した結果を報告する.調査の結果,ALARAの考え方は被ばく線量の低減を評価する指標としてBATの判定プロセスに内包されていることが明らかになった.また,施設の構成要素のオプション選定にBATの考え方を適用する場合,環境中への排出量や被ばく線量を最小化するよりもむしろ,施設全体を俯瞰して体系的かつバランスのとれたオプションを目指すことが重要と考えていることが明らかになった.放射性廃棄物処分場の施設設計では,長期の不確実性がBATの重要な指標となり得ることが示されてい...

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Bibliographic Details
Published in原子力バックエンド研究 Vol. 31; no. 2; pp. 70 - 81
Main Authors 中林, 亮, 黒田, 知眞, 杉山, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会 15.12.2024
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ISSN1884-7579
1884-7579
DOI10.3327/jnuce.31.2_70

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Summary:本稿では,英国の放射性廃棄物管理ならびに放射性廃棄物処分場に適用されるALARAとBATの考え方を明らかにすべく,規制関連文書を調査した結果を報告する.調査の結果,ALARAの考え方は被ばく線量の低減を評価する指標としてBATの判定プロセスに内包されていることが明らかになった.また,施設の構成要素のオプション選定にBATの考え方を適用する場合,環境中への排出量や被ばく線量を最小化するよりもむしろ,施設全体を俯瞰して体系的かつバランスのとれたオプションを目指すことが重要と考えていることが明らかになった.放射性廃棄物処分場の施設設計では,長期の不確実性がBATの重要な指標となり得ることが示されている.
ISSN:1884-7579
1884-7579
DOI:10.3327/jnuce.31.2_70