滋賀県大津市旧仰木村における柿(Diospyros kaki Thunb.)の分布と 利用の変化

柿は多面的に利用され,文化的景観を構成してきたが,近年個体数が減少している。本研究では,滋賀県大津市旧仰木村を対象に,柿の分布と利用の変化を明らかにした。2024年現在1,284本の柿が確認され,圃場整備非実施水田,圃場整備実施水田,伝統的農村集落,新興住宅地ごとの分布状況の相違が明らかになった。1950年頃から2023年までに,調査対象世帯における柿の総数が半数以下になり,従来の柿の利用方法は13種から5種に減少した。一方,ライフスタイルに合わせた新たな利用方法や新興住宅地での柿の分布が確認されるなど,伝統的な柿との関わりが変化する中で新たな人と柿との関わりが生じることが示唆された。...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 51; no. 1; pp. 67 - 72
Main Authors 中井 美波, 深町 加津枝, 大原 歩, 川東 夏子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 31.08.2025
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ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.51.67

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Summary:柿は多面的に利用され,文化的景観を構成してきたが,近年個体数が減少している。本研究では,滋賀県大津市旧仰木村を対象に,柿の分布と利用の変化を明らかにした。2024年現在1,284本の柿が確認され,圃場整備非実施水田,圃場整備実施水田,伝統的農村集落,新興住宅地ごとの分布状況の相違が明らかになった。1950年頃から2023年までに,調査対象世帯における柿の総数が半数以下になり,従来の柿の利用方法は13種から5種に減少した。一方,ライフスタイルに合わせた新たな利用方法や新興住宅地での柿の分布が確認されるなど,伝統的な柿との関わりが変化する中で新たな人と柿との関わりが生じることが示唆された。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.51.67