私たちは脂質の食事摂取基準をどのように理解するか-利用する側の視点から

脂質はエネルギー産生の主要な栄養素であると共に, 各種脂肪酸やコレステロールは細胞膜の主要な構成成分として, 細胞の機能維持, あるいは生理活性物質として利用される. 日本人の食事摂取基準[2005年版]1)では, これらの脂質の生理機能を十分踏まえた上で, 各基準値が設定された. 設定された項目は, 脂肪エネルギー比率, 各脂肪酸群については飽和脂肪酸, n-6系及びn-3系脂肪酸, コレステロールである. また, これまで各脂肪酸群が比率として扱われてきたが, 今回の改定ではそれぞれ「摂取の範囲」(すなわち上限, 下限値)として示された. 生活習慣病予防の観点から食事の脂質管理の重要性が強...

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Published in脂質栄養学 Vol. 15; no. 1; pp. 37 - 45
Main Author 川端輝江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脂質栄養学会 2006
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ISSN1343-4594

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Summary:脂質はエネルギー産生の主要な栄養素であると共に, 各種脂肪酸やコレステロールは細胞膜の主要な構成成分として, 細胞の機能維持, あるいは生理活性物質として利用される. 日本人の食事摂取基準[2005年版]1)では, これらの脂質の生理機能を十分踏まえた上で, 各基準値が設定された. 設定された項目は, 脂肪エネルギー比率, 各脂肪酸群については飽和脂肪酸, n-6系及びn-3系脂肪酸, コレステロールである. また, これまで各脂肪酸群が比率として扱われてきたが, 今回の改定ではそれぞれ「摂取の範囲」(すなわち上限, 下限値)として示された. 生活習慣病予防の観点から食事の脂質管理の重要性が強調された内容となっており, 第六次改定の栄養所要量(以降, 第六次改定と省略)2)に比べて, 大きく前進した食事摂取基準であることが評価される.
ISSN:1343-4594