DDDペースメーカー治療により流出路狭窄の改善をみた閉塞性肥大型心筋症の1例

症例は66歳, 男性. 胸内苦悶, 意識消失を主訴に来院した. 著明な左室流出路圧較差を認め閉塞性肥大型心筋症と診断した. 薬物治療により症状は軽快したが, 第23病日に胸痛のあとショック状態となり, その後心肺停止となったため緊急ペーシングを行った. 心拍数80bpm, AV delay 100 msecの右房右室順次(DDD)ペーシングにより圧較差は94mmHgから11mmHgへと著明に減少した. 引き続き恒久的DDDペースメーカー植え込み術を行い, 慢性期に心臓カテーテル検査を行ったところ, ペーシング時の圧較差はほとんど消失しており, ペーシングを中止し洞調律としても圧較差の増大を認め...

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Published in医療 Vol. 55; no. 4; pp. 183 - 186
Main Authors 梶山, 晃雄, 岡, 岳文, 斎藤, 大治, 大西, 伸彦, 白木, 照夫, 土井, 正行, 清藤, 哲司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.04.2001
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.55.183

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Summary:症例は66歳, 男性. 胸内苦悶, 意識消失を主訴に来院した. 著明な左室流出路圧較差を認め閉塞性肥大型心筋症と診断した. 薬物治療により症状は軽快したが, 第23病日に胸痛のあとショック状態となり, その後心肺停止となったため緊急ペーシングを行った. 心拍数80bpm, AV delay 100 msecの右房右室順次(DDD)ペーシングにより圧較差は94mmHgから11mmHgへと著明に減少した. 引き続き恒久的DDDペースメーカー植え込み術を行い, 慢性期に心臓カテーテル検査を行ったところ, ペーシング時の圧較差はほとんど消失しており, ペーシングを中止し洞調律としても圧較差の増大を認めなかった. ペースメーカー療法の有効性については諸家の報告があるが, 特異な経過をたどった興味深い症例と考え報告する.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.55.183