中敷材・踵材の衝撃緩衝効果

衝撃緩衝材の素材の厚さと組み合わせによる衝撃荷重値の違いを調査した. 落下衝撃試験機で調べた11種の素材の衝撃荷重値によると中敷材(5 mm厚)はソルボセイン, スポンジゴム, 踵材(20 mm厚)は硬質スポンジ, コルクの衝撃荷重値が小さかった. 人落下試験では中敷材はソルボセイン, シリコンゴム, スポンジゴム, 踵材は硬質皮革の衝撃荷重値が小さかった. 足関節も固定した人落下試験では, 踵材が硬質スポンジの時の衝撃荷重値は裸足, 硬質皮革と有意差はなかった. 素材試験と人落下試験の矛盾した結果は足関節による衝撃緩衝作用が考えられ, 足関節に障害のある場合は中敷材や踵材の素材の選択が重要で...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 31; no. 8; pp. 543 - 550
Main Authors 田中正一, 蜂須賀研二, 緒方甫, 大峯三郎, 舌間秀雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 01.08.1994
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ISSN0034-351X

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Summary:衝撃緩衝材の素材の厚さと組み合わせによる衝撃荷重値の違いを調査した. 落下衝撃試験機で調べた11種の素材の衝撃荷重値によると中敷材(5 mm厚)はソルボセイン, スポンジゴム, 踵材(20 mm厚)は硬質スポンジ, コルクの衝撃荷重値が小さかった. 人落下試験では中敷材はソルボセイン, シリコンゴム, スポンジゴム, 踵材は硬質皮革の衝撃荷重値が小さかった. 足関節も固定した人落下試験では, 踵材が硬質スポンジの時の衝撃荷重値は裸足, 硬質皮革と有意差はなかった. 素材試験と人落下試験の矛盾した結果は足関節による衝撃緩衝作用が考えられ, 足関節に障害のある場合は中敷材や踵材の素材の選択が重要である. はじめに 中敷材や踵材は, ランニングによる足部障害(過用現象)や足関節症の治療や予防の目的で, 種々の素材やデザインが開発されている1).
ISSN:0034-351X