慢性腰痛に対するSSRI(塩酸パロキセチン)の使用経験
慢性疼痛に, 抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor;以下SSRI)を使用した. 対象および方法:症例は26例, 男性10例, 女性16例, 年齢は42~83歳(平均68歳)であった. 塩酸パロキセチン20mg/日服用させた. 評価は, SDS(Self-raiting Depression Scale)とPRS(Pain Release Score)で行った. 結果:SSRI投与前のSDSは, 24~68点(平均48.9点)であった. SSRI投与後3ヵ月のPRSは3~10点(平均6.96点)であった. SSR...
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Published in | 日本腰痛学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 117 - 120 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腰痛学会
07.11.2003
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ISSN | 1345-9074 |
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Summary: | 慢性疼痛に, 抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor;以下SSRI)を使用した. 対象および方法:症例は26例, 男性10例, 女性16例, 年齢は42~83歳(平均68歳)であった. 塩酸パロキセチン20mg/日服用させた. 評価は, SDS(Self-raiting Depression Scale)とPRS(Pain Release Score)で行った. 結果:SSRI投与前のSDSは, 24~68点(平均48.9点)であった. SSRI投与後3ヵ月のPRSは3~10点(平均6.96点)であった. SSRIの投与前SDSと3ヵ月後PRSに関する単回帰係数は, R=-0.519, 危険率0.001以下で相関を認めた. 投与前のSDSを50点で2群に分けると, 50点未満群のPRSは, 7.7±1.9に対し, 50点以上群のPRSは, 6.2±2.2と, うつ傾向の症例の除痛効果に統計上有意差をみた(P<0.01). SSRIは慢性腰痛患者に, 対症療法の補助治療薬として効果を期待できると思われた. |
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ISSN: | 1345-9074 |