ガム咀嚼が被加振時の生理指標に与える影響
1.「はじめに」動揺病とも呼ばれる乗り物酔いに対しては, 特に航空宇宙の分野から関心が持たれており, 薬品を用いた動揺病低減1)などについての研究が数多く行われている. 航空宇宙分野で扱われるものとは比べるべくもないものの, 一般人にとっても乗船等に際しては, 乗り物酔いに罹患する可能性がある. 著者らは, 一般人が乗船等に際して乗り物酔い低減効果を期待する対象の一つであるガム咀嚼に注目し, ガム咀嚼とアメ嘗味の比較や, 加振前後での重心動揺面積の比較などを行ってきた2). 乗り物酔いは, 内耳の前庭器官および三半規管において感受される加速度が変化することに起因した, 自律神経系を中心とした一...
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Published in | 人間工学 Vol. 38; no. 3; pp. 162 - 167 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本人間工学会
2002
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ISSN | 0549-4974 |
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Summary: | 1.「はじめに」動揺病とも呼ばれる乗り物酔いに対しては, 特に航空宇宙の分野から関心が持たれており, 薬品を用いた動揺病低減1)などについての研究が数多く行われている. 航空宇宙分野で扱われるものとは比べるべくもないものの, 一般人にとっても乗船等に際しては, 乗り物酔いに罹患する可能性がある. 著者らは, 一般人が乗船等に際して乗り物酔い低減効果を期待する対象の一つであるガム咀嚼に注目し, ガム咀嚼とアメ嘗味の比較や, 加振前後での重心動揺面積の比較などを行ってきた2). 乗り物酔いは, 内耳の前庭器官および三半規管において感受される加速度が変化することに起因した, 自律神経系を中心とした一時的な病的反応とされている3). したがってガム咀嚼の乗り物酔い低減効果について考察する上で, 被加振時におけるガム咀嚼が, 自律神経系の支配を受ける心臓や末梢血管に関連した生理指標に与える影響は興味深い. そこで今回の実験では, 被加振時における生理データを記録し, ガム咀嚼の有無などで比較したので, 以下にその概要を報告する. |
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ISSN: | 0549-4974 |