足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査(Foot Check 2023)第2報 Foot Checkより得られた足・爪の疾患に関する調査結果

日本臨床皮膚科医会が実施したFoot Check2023(足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率に関する疫学調査)を実施した結果,14,588例のうち8,164例 56.0%に足または爪に何らかの疾患・症状が認められ,足の症状では足白癬の症状が18.1%,爪の症状では爪白癬の症状が10.5%と最も多かったことを第1報として報告した.今回,本調査で得られた,足白癬,爪白癬以外の足または爪の疾病について解析を行った. その結果,足白癬以外の足の症状は,4,956例(33.4%)に認められ,その内訳は,多い順に鶏眼・胼胝13.2%,疣贅5.0%,角化症4.7%,湿疹3.3%,ほくろ(黒子)3.1%,掌蹠膿...

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Published in日本臨床皮膚科医会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 66 - 76
Main Authors 畑, 康樹, 仲, 弥, 上田, 純嗣, 江藤, 隆史, 服部, 尚子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床皮膚科医会 2025
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ISSN1349-7758
1882-272X
DOI10.3812/jocd.42.66

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Summary:日本臨床皮膚科医会が実施したFoot Check2023(足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率に関する疫学調査)を実施した結果,14,588例のうち8,164例 56.0%に足または爪に何らかの疾患・症状が認められ,足の症状では足白癬の症状が18.1%,爪の症状では爪白癬の症状が10.5%と最も多かったことを第1報として報告した.今回,本調査で得られた,足白癬,爪白癬以外の足または爪の疾病について解析を行った. その結果,足白癬以外の足の症状は,4,956例(33.4%)に認められ,その内訳は,多い順に鶏眼・胼胝13.2%,疣贅5.0%,角化症4.7%,湿疹3.3%,ほくろ(黒子)3.1%,掌蹠膿疱症0.7%であった.また,爪白癬以外の爪の症状としては,1,736例(11.9%)に認められ,多い順に巻き爪・陥入爪4.8%,厚硬爪甲3.4%,爪甲鉤彎症1.5%,爪乾癬0.4%であった. 今回の調査から,日本人の2人に1人に足または爪に何らかの疾患を有していることが判明した.普段見ることが少ない足の皮膚や爪は,痛みや,痒みなどの症状がない限り,異常を自覚し難い.また,自覚していても対応ができず放置されてしまうことが多い.足爪白癬に限らず,皮膚科医の役割として,トータル的な足や趾爪に対する積極的な予防を含めた啓発活動への取り組み,治療介入のより一層の強化が重要であると考えた.
ISSN:1349-7758
1882-272X
DOI:10.3812/jocd.42.66