高校生における肩こりの疫学的研究 (第1報)

【目的】若年者層への鍼灸療法の活用とその普及を検討する目的で高校生を対象に肩こりに関する疫学的調査を行った。 【研究方法】京都府下12府立高校6,251名を対象にアンケート調査を行い、有効回答者5,846名について分析した。調査は、肩こり調査項目を独自に作成して行った。統計は比率の比較にχ2検定を用いた。 【結果】肩こりがあると回答した生徒は65.3%であった。こりの感覚は「だるい」54.9%、「重い」43.9%が多くみられ、その程度は「我慢できない」が11.5%、「我慢できる」が68.0%であった。性別、学年別とのクロス集計結果では、女子で肩こりが有意に多く、また学年が高くなるにつれて肩こり...

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Published in全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 51; no. 2; pp. 157 - 164
Main Authors 矢野, 忠, 藤田, 麻里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 全日本鍼灸学会 01.05.2001
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ISSN0285-9955
1882-661X
DOI10.3777/jjsam.51.157

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Summary:【目的】若年者層への鍼灸療法の活用とその普及を検討する目的で高校生を対象に肩こりに関する疫学的調査を行った。 【研究方法】京都府下12府立高校6,251名を対象にアンケート調査を行い、有効回答者5,846名について分析した。調査は、肩こり調査項目を独自に作成して行った。統計は比率の比較にχ2検定を用いた。 【結果】肩こりがあると回答した生徒は65.3%であった。こりの感覚は「だるい」54.9%、「重い」43.9%が多くみられ、その程度は「我慢できない」が11.5%、「我慢できる」が68.0%であった。性別、学年別とのクロス集計結果では、女子で肩こりが有意に多く、また学年が高くなるにつれて肩こりの発症率が有意に大きくなった。 【考察】高校生の肩こりの発症率は65.3%と高く、学年では3年生で肩こりの発症率が高かったことから、肩こりの発症に卒業後の進路決定等によるストレスが関与していることが示唆された。また、高校生の肩こりに対して何らかの対応が必要であり、鍼灸療法の活用とその普及が急務であると考えられた。
ISSN:0285-9955
1882-661X
DOI:10.3777/jjsam.51.157