写真調子再現の研究 黒白写真像のRecognitionの研究

3種類の16mm黒白ネガフィルムのrecognitionを求める実験を行なった。初めの実験では, 方~ 円ターゲットを使い, 比較的大きな像サイズで像コントラストのみを変えた。また適当にout-of-focusにしてネガ像を故意に不鮮明にして光学系やフィルムの鮮鋭度の差を無視できるように計画した。ネガ濃度, 現像時間およびポジ材料の階調をそれぞれ変えてBarrowのRecognition Indexを求めると, 彼の報告と同様に (1) 比較的低いネガ濃度, 比較的浅い現像でRecognition Indexは最大になり,(2) ポジ材料の階調の影響は少なかった。これらはみなgrainines...

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Published in日本写真学会会誌 Vol. 26; no. 3; pp. 127 - 134
Main Authors 藤村, 郁夫, 平田, 明文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本写真学会 25.12.1963
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ISSN1884-6327
DOI10.11454/photogrst1934.26.3_127

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Summary:3種類の16mm黒白ネガフィルムのrecognitionを求める実験を行なった。初めの実験では, 方~ 円ターゲットを使い, 比較的大きな像サイズで像コントラストのみを変えた。また適当にout-of-focusにしてネガ像を故意に不鮮明にして光学系やフィルムの鮮鋭度の差を無視できるように計画した。ネガ濃度, 現像時間およびポジ材料の階調をそれぞれ変えてBarrowのRecognition Indexを求めると, 彼の報告と同様に (1) 比較的低いネガ濃度, 比較的浅い現像でRecognition Indexは最大になり,(2) ポジ材料の階調の影響は少なかった。これらはみなgraininessの変化で説明できる。graininessはrecognitionに影最を与える重要な因子である。 第2の実験ではカメラの焦点は正確にあわせTable IIに示した条件のもとでsize-contrast recognitionを求めた。コントラストが充分高いとき, 正方形ターゲットを識別できる像サイズはフィルム面上で0.05~0.09mrn平方であった。肉眼の有効焦点距離の数倍のカメラレソズを使えば-フィルム面上の像サイズは網膜上の像サイズの数倍の大きさになる-正常眼の図形識別能力に匹敵することになる。
ISSN:1884-6327
DOI:10.11454/photogrst1934.26.3_127