看護研究倫理の課題:研究倫理教育に焦点を当てて

本稿の目的は、看護研究倫理支援の一端として行った交流集会で得られたデータから、研究者や研究を支援する人々の研究倫理に関する疑問や悩み、研究倫理教育に関するニーズについてまとめ、研究倫理の基本理念や既存の指針などに基づき研究倫理支援のあり方、特に教育に焦点を当てて考察するものである。交流集会参加者は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の理解、倫理審査に係る手続きや審査申請の基準について、またインフォームド・コンセントについて学ぶことを期待していた。研究倫理に関する疑問や悩みは、「研究倫理審査委員会の運営に関すること」、「倫理審査の申請手続きに関すること」、「研究の倫理的妥当性について」...

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Published in日本看護倫理学会誌 Vol. 9; no. 1; pp. 45 - 52
Main Authors 佐伯, 恭子, 有江, 文栄, 大西, 香代子, 桂川, 純子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護倫理学会 20.03.2017
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ISSN2434-7361
DOI10.32275/jjne.9.1_45

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Summary:本稿の目的は、看護研究倫理支援の一端として行った交流集会で得られたデータから、研究者や研究を支援する人々の研究倫理に関する疑問や悩み、研究倫理教育に関するニーズについてまとめ、研究倫理の基本理念や既存の指針などに基づき研究倫理支援のあり方、特に教育に焦点を当てて考察するものである。交流集会参加者は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の理解、倫理審査に係る手続きや審査申請の基準について、またインフォームド・コンセントについて学ぶことを期待していた。研究倫理に関する疑問や悩みは、「研究倫理審査委員会の運営に関すること」、「倫理審査の申請手続きに関すること」、「研究の倫理的妥当性について」、「インフォームド・コンセントに関すること」、「データの取り扱いおよび研究利用について」、そして「研究支援や相談窓口に関すること」であった。また、交流集会で試みた対話も、研究倫理教育には効果的であることがわかった。段階的および継続的な教育、対話の機会提供、研究倫理相談窓口等の設置などが今後の課題として示唆された。
ISSN:2434-7361
DOI:10.32275/jjne.9.1_45