パニック症と精神疾患や中間表現型間における民族差を超えた共通の遺伝的基盤
パニック症は(PD)は,多因子遺伝を示す精神疾患である。欧米人大規模全ゲノム関連解析(GWAS)では不安症と関連するゲノム座位が同定されている。欧米人において不安症は,一部の精神疾患や中間表現型の遺伝基盤と重複している。本研究では,ポリジェニックリスクスコア(PRS)解析を用いて,日本人PDと欧米人精神疾患や中間表現型間の民族差を超えた遺伝要因の共通性を検討した。欧米人精神疾患や中間表現型のGWASデータを,Discoveryサンプルとして,日本人PD患者および健常者(HC)をTargetサンプルとしてPRSを算出し,欧米人精神疾患や中間表現型に基づくPRSが,日本人PDリスクに及ぼす影響を検...
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          | Published in | 不安症研究 Vol. 13; no. 1; pp. 2 - 12 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本不安症学会
    
        30.11.2021
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 2188-7578 2188-7586  | 
| DOI | 10.14389/jsad.13.1_2 | 
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| Summary: | パニック症は(PD)は,多因子遺伝を示す精神疾患である。欧米人大規模全ゲノム関連解析(GWAS)では不安症と関連するゲノム座位が同定されている。欧米人において不安症は,一部の精神疾患や中間表現型の遺伝基盤と重複している。本研究では,ポリジェニックリスクスコア(PRS)解析を用いて,日本人PDと欧米人精神疾患や中間表現型間の民族差を超えた遺伝要因の共通性を検討した。欧米人精神疾患や中間表現型のGWASデータを,Discoveryサンプルとして,日本人PD患者および健常者(HC)をTargetサンプルとしてPRSを算出し,欧米人精神疾患や中間表現型に基づくPRSが,日本人PDリスクに及ぼす影響を検討した。欧米人不安症,うつ病,孤独感や神経症傾向PRSは,日本人HCよりもPDで高く,教育年数や認知機能PRSはPDで低かった。本結果は,PDとうつ病や神経症傾向間の民族差を超えた遺伝的共通性を示唆している。 | 
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| ISSN: | 2188-7578 2188-7586  | 
| DOI: | 10.14389/jsad.13.1_2 |