汽水棲環形動物の酸性スフィンゴ糖脂質 イトメ (Tylorrhynchus heterochetus) の2種類の新型イノシトールリン酸糖脂質の構造解析

汽水棲環形動物, イトメ (Tylorrhynchus heterochetus) の酸性糖脂質は, TLC分析によってリン検出試薬にのみ陽性を示すもの, さらに糖検出試薬にも陽性を示すものとの, 少なくとも7種類以上の成分から成る。それらのうち, 主要な2成分 (AGL4およびAGL5) を, イオン交換セファデックス (DEAE-Sephadex) およびケイ酸カラムクロマトグラフィーによって単離, 精製した。それらの構造を糖組成分析, フッ化水素酸分解, メチル化分析, 過ヨー素酸酸化分解, GC-MS分析, NMR分析およびMALDI-TOF MS (マトリックス支援レーザー脱離イオン...

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Published in日本油化学会誌 Vol. 49; no. 1; pp. 33 - 43,83
Main Authors 三輪, 祥代, 杉田, 陸海, 鈴木, 實, 市川, さおり, 稲垣, 冬彦, 青木, 一弘
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本油化学会 20.01.2000
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ISSN1341-8327
1884-1996
DOI10.5650/jos1996.49.33

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Summary:汽水棲環形動物, イトメ (Tylorrhynchus heterochetus) の酸性糖脂質は, TLC分析によってリン検出試薬にのみ陽性を示すもの, さらに糖検出試薬にも陽性を示すものとの, 少なくとも7種類以上の成分から成る。それらのうち, 主要な2成分 (AGL4およびAGL5) を, イオン交換セファデックス (DEAE-Sephadex) およびケイ酸カラムクロマトグラフィーによって単離, 精製した。それらの構造を糖組成分析, フッ化水素酸分解, メチル化分析, 過ヨー素酸酸化分解, GC-MS分析, NMR分析およびMALDI-TOF MS (マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置) 分析によって解析し, AGL4 : Man (α1-2) Ins (1→) -P-Cer, AGL5 : Man (α1-2) [Fuc (α1-5)] Ins (1→) -P-Cerであると決定した。これらのイノシトールリン酸糖脂質の脂溶部は, 主として, 脂肪酸がパルミチン酸およびステアリン酸を, スフィンゴイド塩基はC18-スフィンガニンおよびC18-スフィンゴシンを成分としていた。
ISSN:1341-8327
1884-1996
DOI:10.5650/jos1996.49.33