ICUにおいて抑制を受ける高齢患者に対する看護ケア

抄録 本研究の目的は,ICUにおいて抑制を受ける高齢患者に対し,看護師が日常的に実践している看護ケアを明らかにすることである.12人の看護師を対象にケア場面の参加観察およびケアの意図についての半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.その結果【患者の状態に応じた効果的な抑制を用いて患者の命を守る】【患者が現状を理解することを助ける】【思うように表出できない患者の思いをつかみとる】【患者の欲求を満たすことを支援する】【回復に向かうための患者の気力を支える】【合併症を予防し,生活機能を維持する】【患者が穏やかにすごすことのできる環境を整える】【患者と家族の関係を保つ】【患者の回復に向けて家族と方向...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 17; no. 1; pp. 28 - 36
Main Authors 長谷川 沙希, 原 祥子, 沖中 由美, 小野 光美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 30.11.2012
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
Subjects
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.17.1_28

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Summary:抄録 本研究の目的は,ICUにおいて抑制を受ける高齢患者に対し,看護師が日常的に実践している看護ケアを明らかにすることである.12人の看護師を対象にケア場面の参加観察およびケアの意図についての半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.その結果【患者の状態に応じた効果的な抑制を用いて患者の命を守る】【患者が現状を理解することを助ける】【思うように表出できない患者の思いをつかみとる】【患者の欲求を満たすことを支援する】【回復に向かうための患者の気力を支える】【合併症を予防し,生活機能を維持する】【患者が穏やかにすごすことのできる環境を整える】【患者と家族の関係を保つ】【患者の回復に向けて家族と方向性をひとつにする】の9つの看護ケアが見いだされた.これらの看護ケアは,ICUで抑制を受ける高齢患者の生活機能を維持するための予防ケアであると同時に,患者の回復への意欲を促し,ICUにおける高齢患者家族の思いの揺れに添ったケアであると意味づけられた.
Bibliography:研究ノート
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.17.1_28