特別養護老人ホームにおける老人看護学実習の学習内容—実習記録の分析から

特別養護老人ホームにおける老人看護学実習の学習内容を明らかにする目的で,実習記録の援助に関する学びのキーセンテンスを抽出し,内容分析の手法で,カテゴリー・サブカテゴリーに分類した.さらに既習の実習科目,実習時期,老人看護学実習を実施した施設,受け持ち者の状態,祖父母との同居経験と学習内容との関連を分析した. 結果:1.老人看護学実習を成人看護学実習終了後に実施した場合は,高齢者援助の総合的理解が多く,成人看護学実習未終了の場合は日常生活援助の学びが多かった. 2.臨床実習期間の後半に老人看護学実習を行った場合は,気持ちへの配慮の学びが多かった. 3.実習場である老人福祉施設では,入居しているそ...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 5; no. 1; pp. 131 - 139
Main Authors 水口 陽子, 田中 キミ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2000
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
Subjects
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.5.1_131

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Summary:特別養護老人ホームにおける老人看護学実習の学習内容を明らかにする目的で,実習記録の援助に関する学びのキーセンテンスを抽出し,内容分析の手法で,カテゴリー・サブカテゴリーに分類した.さらに既習の実習科目,実習時期,老人看護学実習を実施した施設,受け持ち者の状態,祖父母との同居経験と学習内容との関連を分析した. 結果:1.老人看護学実習を成人看護学実習終了後に実施した場合は,高齢者援助の総合的理解が多く,成人看護学実習未終了の場合は日常生活援助の学びが多かった. 2.臨床実習期間の後半に老人看護学実習を行った場合は,気持ちへの配慮の学びが多かった. 3.実習場である老人福祉施設では,入居しているそれぞれの高齢者の特徴に応じた援助方法の学びができていた. 4.祖父母との同居経験のない者のほうが移動の援助およびデイサービスの学びが多かった. 以上の特徴を考慮して,学生の関心の広がりと深まりに注意しながら指導する必要性が示唆された.
Bibliography:研究ノート
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.5.1_131