大腿骨頸部骨折患者と非骨折患者別にみた視覚情報と生活因子

大腿骨頸部骨折患者と非骨折患者における視覚情報の相違と生活因子の特徴を明らかにすることを目的に,平均年齢81歳の大腿骨頸部骨折患者と非骨折患者の視機能を測定し,生活因子との関連を検討した.その結果,コントラスト感度では,骨折患者は非骨折患者に比較して1.5と3および18cycle/degreeの周波数領域とも低下していた.生活因子別にみた骨折患者と非骨折患者の比較では,50歳代以後に骨折既往歴を有する者および転倒歴のある者は,骨折患者に多い傾向であった.同様に,活動能力が低い者は非骨折群に比べて骨折群に多い傾向であった.また,有意差はないが,遠近感がなくなったと回答した者は,骨折群に多かった....

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Bibliographic Details
Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 4; no. 1; pp. 65 - 72
Main Authors 梶田 悦子, 細川 淳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.1999
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.4.1_65

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Summary:大腿骨頸部骨折患者と非骨折患者における視覚情報の相違と生活因子の特徴を明らかにすることを目的に,平均年齢81歳の大腿骨頸部骨折患者と非骨折患者の視機能を測定し,生活因子との関連を検討した.その結果,コントラスト感度では,骨折患者は非骨折患者に比較して1.5と3および18cycle/degreeの周波数領域とも低下していた.生活因子別にみた骨折患者と非骨折患者の比較では,50歳代以後に骨折既往歴を有する者および転倒歴のある者は,骨折患者に多い傾向であった.同様に,活動能力が低い者は非骨折群に比べて骨折群に多い傾向であった.また,有意差はないが,遠近感がなくなったと回答した者は,骨折群に多かった.活動能力別にみた骨折患者と非骨折患者の比較では,手段的活動能力で骨折群が有意に低かった.骨折を予防するための環境整備と物の形や距離が認識できるような対策を考えること,転倒経験や骨折既往歴を有する者には視覚情報を考慮していくことが重要と考えられた.
Bibliography:原著
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.4.1_65