退所/退院に関連する看護活動—老人保健施設および内科病棟の看護管理職者の意識調査

本研究は,佐賀・長崎・福岡県に所在する老人保健施設と内科系病棟の看護管理職者を対象として,両施設の看護職が担っている患者の退所/退院に関する役割とその認識を明らかにすることを目的とした.郵送法による調査の結果,(1)病院における退院時期は約7割が退院の1週間前までに決定されていた.(2)指導計画の実施者は病院では看護婦が主体となっていたが,老人保健施設では看護婦と相談員や介護福祉士との協働作業という認識が示された.しかし指導の必要性と効果を判断する指標は不明確であった.(3)退所/退院後のニーズの確認やアセスメントの実践は,病院よりも老人保健施設のほうが高率であったが,情報に詳しい看護婦の有無...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 5; no. 1; pp. 147 - 155
Main Authors 西田 真寿美, 松岡 緑, 高見 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2000
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
Subjects
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.5.1_147

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Summary:本研究は,佐賀・長崎・福岡県に所在する老人保健施設と内科系病棟の看護管理職者を対象として,両施設の看護職が担っている患者の退所/退院に関する役割とその認識を明らかにすることを目的とした.郵送法による調査の結果,(1)病院における退院時期は約7割が退院の1週間前までに決定されていた.(2)指導計画の実施者は病院では看護婦が主体となっていたが,老人保健施設では看護婦と相談員や介護福祉士との協働作業という認識が示された.しかし指導の必要性と効果を判断する指標は不明確であった.(3)退所/退院後のニーズの確認やアセスメントの実践は,病院よりも老人保健施設のほうが高率であったが,情報に詳しい看護婦の有無が影響していた.(4)施設内外の医療職との連絡調整は施設内では実施されていたが,施設外では半減した.以上より,患者・家族が退院への準備を整えるためには退所/退院時期の決定に患者および家族を含めて看護職の判断を有効に示していくこと,援助の必要度や効果を判断する指標が必要であること,看護婦がもつ情報力とコミュニケーション能力の開発や異なる職種間の連携システムを再構築することが重要と考えられる.
Bibliography:資料
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.5.1_147