レシピエントとは別世帯を営むきょうだいの,肝臓提供への意思決定プロセスとそれに影響する要因

要旨 目的:レシピエントとは別世帯を営むきょうだいの生体肝ドナーに焦点を当て,肝臓を提供しようと決意するまでの意思決定プロセスと,それに影響する要因を明らかにすることである. 方法:ドナー5名に半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析した. 結果:提供の決意に至るプロセスには【きょうだいとの関係性】が影響し,【助けなければいけない】思いと,提供することでの【健康な自分が傷つけられる不安や恐怖】との葛藤が生じていた.【提供に納得がいくよう意味づけをする】ことは【助けなければいけない】という思いを強化し,【配偶者・家族の理解と支え】が【健康な自分が傷つけられる不安や恐怖】を支えていたことが示され,最...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 33; no. 3; pp. 66 - 73
Main Authors 萩原 邦子, 瀬戸 奈津子, 清水 安子, 石垣 靖子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.09.2013
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.33.3_66

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Summary:要旨 目的:レシピエントとは別世帯を営むきょうだいの生体肝ドナーに焦点を当て,肝臓を提供しようと決意するまでの意思決定プロセスと,それに影響する要因を明らかにすることである. 方法:ドナー5名に半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析した. 結果:提供の決意に至るプロセスには【きょうだいとの関係性】が影響し,【助けなければいけない】思いと,提供することでの【健康な自分が傷つけられる不安や恐怖】との葛藤が生じていた.【提供に納得がいくよう意味づけをする】ことは【助けなければいけない】という思いを強化し,【配偶者・家族の理解と支え】が【健康な自分が傷つけられる不安や恐怖】を支えていたことが示され,最終的には生体ドナーは【条件的に自分しかいないと決意】していた. 結論:別世帯を営むきょうだいのドナーに対して慎重な意思決定支援と,配偶者や家族への関わりも含めた家族看護の必要性が示唆された.
Bibliography:研究報告
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.33.3_66