退院後の消化器系永久ストーマ造設患者のための生活安定感尺度の開発

要旨 ストーマを持っての生活の安定を把握する生活安定感尺度の開発を目的に,退院後の消化器系永久ストーマ造設患者を対象に調査を実施した.事前の面接により収集し,内容および表面妥当性を確認した尺度案とオストメイトQOL調査票を用いた.回答は133名より得た. 探索的および検証的因子分析の結果,「日常生活活動の回復・拡大」「ストーマの受け止め」「ストーマケアを受ける場がある安心感」「皮膚トラブルの心配のなさ」「排便と体調の把握」の5因子,24項目を選択した.再検査法にもとづく各項目の重み付きκ統計量と各因子得点の級内相関係数の値から,一定の信頼性を有することが示された.クロンバックのα係数,オストメ...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 22; no. 4; pp. 11 - 20
Main Authors 伊藤 直美, 数間 恵子, 徳永 惠子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 24.12.2002
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans1981.22.4_11

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Summary:要旨 ストーマを持っての生活の安定を把握する生活安定感尺度の開発を目的に,退院後の消化器系永久ストーマ造設患者を対象に調査を実施した.事前の面接により収集し,内容および表面妥当性を確認した尺度案とオストメイトQOL調査票を用いた.回答は133名より得た. 探索的および検証的因子分析の結果,「日常生活活動の回復・拡大」「ストーマの受け止め」「ストーマケアを受ける場がある安心感」「皮膚トラブルの心配のなさ」「排便と体調の把握」の5因子,24項目を選択した.再検査法にもとづく各項目の重み付きκ統計量と各因子得点の級内相関係数の値から,一定の信頼性を有することが示された.クロンバックのα係数,オストメイトQOL調査票あるいは単項目との相関係数の値から,各因子の内的整合性,収束・判別妥当性が確認された.臨床的に想定される因子間の順序性は,統計的にも確認された. 以上から,本尺度は一定の信頼性,妥当性を有しており,臨床的に使用可能と考えられた.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.22.4_11