研究機関における看護研究倫理審査体制に関する調査報告

要旨 目的:臨床研究に関する倫理指針の施行に合わせ,看護学研究教育研究機関での研究倫理審査体制と現在抱えている課題について調査し,今後の研究推進のための倫理審査体制について検討した. 方法:対象は研究教育機関の中から設置主体別に便宜的抽出を行い,回答者は当該施設の倫理審査体制の責任者とした.調査方法は一部構成型質問紙を含む半構成型面接法とし単純記述集計と質的帰納的データ分析を行った. 結果:協力機関は6大学であり,単科大学は2大学であった.明らかになった実態は,看護学研究に特化した倫理審査委員会を設置していたのは2大学のみであった.他の4大学は全学の倫理審査終了後に看護学研究者による追加審査等...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 32; no. 3; pp. 45 - 52
Main Authors 中込 さと子, 小松 浩子, 縄 秀志, 山田 覚, 片田 範子, 太田 喜久子, 才木クレイグヒル 滋子, 亀井 智子, 宮脇 美保子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.09.2012
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.32.3_45

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Summary:要旨 目的:臨床研究に関する倫理指針の施行に合わせ,看護学研究教育研究機関での研究倫理審査体制と現在抱えている課題について調査し,今後の研究推進のための倫理審査体制について検討した. 方法:対象は研究教育機関の中から設置主体別に便宜的抽出を行い,回答者は当該施設の倫理審査体制の責任者とした.調査方法は一部構成型質問紙を含む半構成型面接法とし単純記述集計と質的帰納的データ分析を行った. 結果:協力機関は6大学であり,単科大学は2大学であった.明らかになった実態は,看護学研究に特化した倫理審査委員会を設置していたのは2大学のみであった.他の4大学は全学の倫理審査終了後に看護学研究者による追加審査等を実施していた.また看護学研究の研究倫理の教授内容も時間数も改善と充実を図る必要性が出された.さらに研究倫理審査委員会の負担が多大だった. 結論:看護学研究者による倫理審査体制の整備,研究倫理教育の充実を図る必要性が示唆された.
Bibliography:研究報告
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.32.3_45