サルコペニアは自宅退院した脳卒中患者の手段的日常生活動作の実施状況を低下させる

要旨:本研究は,回復期から自宅退院した脳卒中患者の退院後のIADLとサルコペニアとの関連性を検証した後ろ向きコホート研究である.対象は2015〜2019年に当院を退院した脳卒中患者69名で,方法は退院1〜1.5ヵ月後に自宅訪問による追跡調査を行った.IADLの評価はFAIを,サルコペニアの評価はAWGSを用いた.退院時のサルコペニア有群は無群と比較し退院後FAIが有意に低かった.交絡因子を調整した多変量解析の結果,自宅退院した脳卒中患者のFAIにはサルコペニアが独立して関連していた.脳卒中患者のFAIの改善のために,サルコペニアの予防や改善を念頭に入れた作業療法が必要であると考えられた....

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Published in作業療法 Vol. 40; no. 6; pp. 730 - 737
Main Authors 田中 龍太郎, 吉村 芳弘, 嶋津 さゆり, 北原 浩生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.12.2021
一般社団法人 日本作業療法士協会
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ISSN0289-4920
2434-4419
DOI10.32178/jotr.40.6_730

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Summary:要旨:本研究は,回復期から自宅退院した脳卒中患者の退院後のIADLとサルコペニアとの関連性を検証した後ろ向きコホート研究である.対象は2015〜2019年に当院を退院した脳卒中患者69名で,方法は退院1〜1.5ヵ月後に自宅訪問による追跡調査を行った.IADLの評価はFAIを,サルコペニアの評価はAWGSを用いた.退院時のサルコペニア有群は無群と比較し退院後FAIが有意に低かった.交絡因子を調整した多変量解析の結果,自宅退院した脳卒中患者のFAIにはサルコペニアが独立して関連していた.脳卒中患者のFAIの改善のために,サルコペニアの予防や改善を念頭に入れた作業療法が必要であると考えられた.
Bibliography:原著論文
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.40.6_730