若手看護学研究者の研究活動の阻害要因と日本看護科学学会に求める支援の関連要因
要旨目的:本研究の目的は若手看護学研究者の研究活動の阻害要因と日本看護科学学会に求める支援の関連要因を明らかにすることである.方法:日本看護科学学会の39歳以下の会員にウェブ調査を行った.研究の阻害要因と日本看護科学学会に求める支援の下位因子を従属変数とした重回帰分析を行った.結果:648名を分析対象とした.研究の阻害要因の中で,育児中の人(β=0.36)は「ワーク・ライフ・バランスの難しさ」を,助教・助手(β=0.31)は「教育や大学運営等の業務の負担」を感じていた.また「研究能力の不足」,「研究のリソース不足」,「研究者としてのアイデンティティの未確立」,「教育や大学運営等の業務の負担」を...
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Published in | 日本看護科学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 203 - 214 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護科学学会
31.12.2015
公益社団法人 日本看護科学学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-5330 2185-8888 |
DOI | 10.5630/jans.35.203 |
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Summary: | 要旨目的:本研究の目的は若手看護学研究者の研究活動の阻害要因と日本看護科学学会に求める支援の関連要因を明らかにすることである.方法:日本看護科学学会の39歳以下の会員にウェブ調査を行った.研究の阻害要因と日本看護科学学会に求める支援の下位因子を従属変数とした重回帰分析を行った.結果:648名を分析対象とした.研究の阻害要因の中で,育児中の人(β=0.36)は「ワーク・ライフ・バランスの難しさ」を,助教・助手(β=0.31)は「教育や大学運営等の業務の負担」を感じていた.また「研究能力の不足」,「研究のリソース不足」,「研究者としてのアイデンティティの未確立」,「教育や大学運営等の業務の負担」を阻害要因と感じる人ほどJANSに「研究を促進する環境・システムの整備」を求めていた(β=0.15-0.20).結論:若手看護学研究者は個々の属性に応じ様々な研究の阻害要因を感じ,支援を求めていた.日本看護科学学会には若手研究者への支援として,①研究者間のネットワーク構築,②研究者としての能力の向上,③研究環境の整備を促進していくことが望まれる. |
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Bibliography: | 原著 |
ISSN: | 0287-5330 2185-8888 |
DOI: | 10.5630/jans.35.203 |