『看護の専門的能力』の視点からみた院内教育ニーズの分析―N系病院における看護婦の調査から
要旨 本研究の目的は,院内教育における教育ニーズと学習ニーズの関係,及び学習ニーズの関連要因を明らかにすることである.Competency Model Methodを参考に,ニーズ調査の枠組みとして『看護の専門的能力』を設定,質問紙を作成した.これは9中位項目で構成され,4段階評定で数量化される.分析対象は,N系総合病院7施設の院内教育担当者48名と看護婦240名で,以下の結果を得た.1.教育ニーズは学習ニーズに比べ,「教育・指導」「調整」「研究的態度」「意思決定」の中位項目(以下,中位項目は「」で記す)が有意に高く,「対象理解」「直接的ケア」は学習ニーズが高い傾向を示した.2.学習ニーズには...
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          | Published in | 日本看護科学会誌 Vol. 20; no. 2; pp. 29 - 38 | 
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本看護科学学会
    
        30.08.2000
     公益社団法人 日本看護科学学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0287-5330 2185-8888  | 
| DOI | 10.5630/jans1981.20.2_29 | 
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| Summary: | 要旨 本研究の目的は,院内教育における教育ニーズと学習ニーズの関係,及び学習ニーズの関連要因を明らかにすることである.Competency Model Methodを参考に,ニーズ調査の枠組みとして『看護の専門的能力』を設定,質問紙を作成した.これは9中位項目で構成され,4段階評定で数量化される.分析対象は,N系総合病院7施設の院内教育担当者48名と看護婦240名で,以下の結果を得た.1.教育ニーズは学習ニーズに比べ,「教育・指導」「調整」「研究的態度」「意思決定」の中位項目(以下,中位項目は「」で記す)が有意に高く,「対象理解」「直接的ケア」は学習ニーズが高い傾向を示した.2.学習ニーズには臨床経験年数と自己研鑽が関連していた.①臨床経験年数では「対象理解」「直接的ケア」「看護過程」「相談・支持」「意思決定」に有意差が見られ,4年目以上で低下傾向を示した.②自己研鑽では,「研究的態度」「教育・指導」に有意差が見られ,自己研鑽している者の学習ニーズが高値を示した.3.教育の提供時期に関しては,教育側は3年目までに集中する傾向にあった.しかし,受け手側では学習ニーズの優先項目を分析した結果,4年目以上で学習の関心に広がりがみられた. 以上のことから,今後は学習ニーズの特性を踏まえた上での,長期的展望に立った教育の必要性が示唆された. | 
|---|---|
| Bibliography: | 原著 | 
| ISSN: | 0287-5330 2185-8888  | 
| DOI: | 10.5630/jans1981.20.2_29 |