妊産婦の睡眠・覚醒行動の変化―妊娠末期から産後15週までの初産婦と経産婦の比較

要旨 本研究の目的は,妊娠末期から産後15週までの母親の睡眠・覚醒パターンの変化を初・経産婦別に検討した.初産婦14名と経産婦12名には,分娩前7週から産後15週目までの間の睡眠日誌と,このうち8名の母親には,彼女らの新生児の睡眠日誌をそれぞれ同時に連続して記入をお願いした.産後1週から11週までは,妊娠末期に比して夜間の全睡眠時間の有意な短縮と入眠後の覚醒時間の有意な増加を示した.また,睡眠効率は,産後1週から8週まで有意に減少していた.とくに,初産婦群の産後2週から6週にかけては,経産婦群に比して覚醒時間の増加と1回当たりの覚醒持続時間の延長,および睡眠効率の減少が大きかった. 以上の結果...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 21; no. 2; pp. 1 - 11
Main Authors 新小田 春美, 松本 一弥, 三島 みどり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 31.08.2001
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans1981.21.2_1

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Summary:要旨 本研究の目的は,妊娠末期から産後15週までの母親の睡眠・覚醒パターンの変化を初・経産婦別に検討した.初産婦14名と経産婦12名には,分娩前7週から産後15週目までの間の睡眠日誌と,このうち8名の母親には,彼女らの新生児の睡眠日誌をそれぞれ同時に連続して記入をお願いした.産後1週から11週までは,妊娠末期に比して夜間の全睡眠時間の有意な短縮と入眠後の覚醒時間の有意な増加を示した.また,睡眠効率は,産後1週から8週まで有意に減少していた.とくに,初産婦群の産後2週から6週にかけては,経産婦群に比して覚醒時間の増加と1回当たりの覚醒持続時間の延長,および睡眠効率の減少が大きかった. 以上の結果から,母親の夜間睡眠の乱れは,とくに初産婦群で大きく,産後11週頃までその乱れは持続するが,彼女らの乳児の睡眠・覚醒リズムもしくは授乳リズムの発達とともに,12週以降に母親の睡眠・覚醒リズムもほぼ正常なパターンに復帰していくものと推測された.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.21.2_1