高次脳機能障害を有する患者の家族支援—家族による障害の捉え方の変化

要旨:本研究の目的は,高次脳機能障害を有する患者の家族による障害の捉え方の変化を明らかにし,家族支援のあり方を検討することであった.研究方法は,15名の家族への非構造化面接後,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析を行った.その結果,7つのカテゴリーと18の概念が抽出された.家族は,〈病前との比較から生じる不安〉や〈高次脳機能障害への対応の困惑〉を見せながらも,〈自己の感情や思考に向き合う〉ことをはじめる.そして,〈本人の高次脳機能障害への気づきに対する家族の洞察・理解〉が進むことにより,〈退院後の生活への見通しに対する気持ちと行動〉につながり,家族自身で退院後の生活の方略を立てられ...

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Published in作業療法 Vol. 38; no. 4; pp. 396 - 404
Main Authors 小野瀬 剛広, 鈴木 孝治, 大仲 功一, 鈴木 邦彦, 大和 雄太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.08.2019
一般社団法人 日本作業療法士協会
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ISSN0289-4920
2434-4419
DOI10.32178/jotr.38.4_396

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Summary:要旨:本研究の目的は,高次脳機能障害を有する患者の家族による障害の捉え方の変化を明らかにし,家族支援のあり方を検討することであった.研究方法は,15名の家族への非構造化面接後,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析を行った.その結果,7つのカテゴリーと18の概念が抽出された.家族は,〈病前との比較から生じる不安〉や〈高次脳機能障害への対応の困惑〉を見せながらも,〈自己の感情や思考に向き合う〉ことをはじめる.そして,〈本人の高次脳機能障害への気づきに対する家族の洞察・理解〉が進むことにより,〈退院後の生活への見通しに対する気持ちと行動〉につながり,家族自身で退院後の生活の方略を立てられるようになることがわかった.
Bibliography:研究論文
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.38.4_396