病弱老人の生きがいに関する研究

要旨 病弱老人の生きる支えになるものを見いだすことを目的に,病弱者を含む在宅老人141名と,老人ホームで生活している病弱な老人30名に,生きがいに関する調査をし検討した。対象者の年齢はいずれも60歳以上であった。 その結果次の結論を得た。1.病弱である在宅者および施設入所者は,在宅の健康な者よりむしろ,生きがいがあると答えた者が多くみられた。2.今回対象とした老人の多くは,生きがいの対象として趣味をあげており,病弱者も同様の傾向を示していた。3.生きがいがあると答えた者には,孤独感を抱いていない者が多いことが,統計的に有意であることが確認された。4.在宅の病弱者に孤独感があると答えた者が多い傾...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 9; no. 2; pp. 21 - 28
Main Author 多田 敏子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 30.10.1989
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans1981.9.2_21

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Summary:要旨 病弱老人の生きる支えになるものを見いだすことを目的に,病弱者を含む在宅老人141名と,老人ホームで生活している病弱な老人30名に,生きがいに関する調査をし検討した。対象者の年齢はいずれも60歳以上であった。 その結果次の結論を得た。1.病弱である在宅者および施設入所者は,在宅の健康な者よりむしろ,生きがいがあると答えた者が多くみられた。2.今回対象とした老人の多くは,生きがいの対象として趣味をあげており,病弱者も同様の傾向を示していた。3.生きがいがあると答えた者には,孤独感を抱いていない者が多いことが,統計的に有意であることが確認された。4.在宅の病弱者に孤独感があると答えた者が多い傾向にあり,病弱者の生活における生きがいの意味について,今後さらに検討を深める必要性があることが確認された。
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.9.2_21