母性看護学実習における看護学生の学び—正統的周辺参加の視点から

要旨 目的:本研究は,母性看護学実習における看護学生の学びについて正統的周辺参加の視点から明らかにすることを目的とした. 方法:母性看護学実習を履修した大学4年次の看護学生9名を対象に半構造化面接を実施し,質的記述的に分析した. 結果:母性看護学実習において看護学生は,看護者と【段階的な看護実践】を行ない,正統的周辺参加の過程の中にいた.しかし,学生として実践できることには限りがあり,母子二人を受け持つことへの重みを感じていた.一方で,褥婦や看護者とのコミュニケーションの難しさを痛感し,【他者との関わりの中での成長】を実感していた.さらに,実習での体験から母性看護を捉え,【現場で経験して得る感...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 222 - 230
Main Authors 小野 加奈子, 山波 真理, 加納 尚美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2022
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.42.222

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Summary:要旨 目的:本研究は,母性看護学実習における看護学生の学びについて正統的周辺参加の視点から明らかにすることを目的とした. 方法:母性看護学実習を履修した大学4年次の看護学生9名を対象に半構造化面接を実施し,質的記述的に分析した. 結果:母性看護学実習において看護学生は,看護者と【段階的な看護実践】を行ない,正統的周辺参加の過程の中にいた.しかし,学生として実践できることには限りがあり,母子二人を受け持つことへの重みを感じていた.一方で,褥婦や看護者とのコミュニケーションの難しさを痛感し,【他者との関わりの中での成長】を実感していた.さらに,実習での体験から母性看護を捉え,【現場で経験して得る感覚】から学んでいた. 結論:看護学生は,看護者と共に看護を実践していく中で段階的に実践力を高め,学内では直接関わることのできない妊産褥婦や新生児,看護者などとの相互交流を通して,自己の成長を感じ母性看護学実習でしか学べないことを現場の経験から学んでいた.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.42.222