高齢者ケア施設への介護ロボットおよびAI導入に関する倫理的・法的・社会的課題に関する一考察―国内外のガイドラインの検討を通して
「I. はじめに」 2022年度における日本の高齢化率は28.9%であり, 今後も上昇することが予想されている(内閣府, 2022). 高齢者介護を担う社会資源のひとつに高齢者介護施設が挙げられるが, 介護事業所のうち64.4%が介護職員の不足を感じている(介護労働安定センター, 2022). このような状況において, 厚生労働省および経済産業省は, 利用者の自立支援や介護者の負担軽減のためにAI(artificial intelligence;人工知能)を含めた介護ロボット導入を推進している. 具体的には, 2012年に「ロボット技術の介護利用における重点分野」を策定し, ロボットおよび介護...
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| Published in | 日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 28; no. 1; pp. 36 - 40 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本老年看護学会
31.07.2023
一般社団法人 日本老年看護学会 |
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| ISSN | 1346-9665 2432-0811 |
| DOI | 10.20696/jagn.28.1_36 |
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| Summary: | 「I. はじめに」 2022年度における日本の高齢化率は28.9%であり, 今後も上昇することが予想されている(内閣府, 2022). 高齢者介護を担う社会資源のひとつに高齢者介護施設が挙げられるが, 介護事業所のうち64.4%が介護職員の不足を感じている(介護労働安定センター, 2022). このような状況において, 厚生労働省および経済産業省は, 利用者の自立支援や介護者の負担軽減のためにAI(artificial intelligence;人工知能)を含めた介護ロボット導入を推進している. 具体的には, 2012年に「ロボット技術の介護利用における重点分野」を策定し, ロボットおよび介護技術の開発を支援している(厚生労働省, 2017). また, 岸田内閣が進める「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画」のなかでも「新時代の競争力の源泉」として重点投資先にDXやAI実装をはじめとする科学技術を挙げている(内閣官房, 2022). |
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| Bibliography: | 特集「デジタルトランスフォーメーション(DX)が変える老年看護学教育・実践・研究のいま」 |
| ISSN: | 1346-9665 2432-0811 |
| DOI: | 10.20696/jagn.28.1_36 |