看護学研究における倫理的環境整備に向けた実態調査（第1報）—看護系大学における研究倫理審査の現状

• Published in: 日本看護科学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 74 - 83
• Main Authors: 石井 邦子, 亀井 智子, 川城 由紀子, 宮脇 美保子, 宮林 郁子, 野村 美香
• Format: Journal Article
• Language: English; Japanese
• Published: 日本看護科学学会 31.12.2014; 公益社団法人 日本看護科学学会
• Subjects: considerations in ethics review; ethics code; ethics committee members; ethics review boards; 倫理審査における課題; 倫理審査委員; 倫理審査委員会; 倫理審査規程
• ISSN: 0287-5330; 2185-8888
• DOI: 10.5630/jans.34.74

要旨　目的：看護系大学における研究倫理審査の現状を明らかにし，看護学研究における研究倫理審査体制の在り方を検討する．　方法：全国の看護系大学で看護学研究倫理審査に精通している専任教員を対象に，郵送による無記名自記式質問紙調査を行った．　結果：回答があった看護系大学89校（回収率44.5％）のうち，倫理審査委員会が設置されている87校を分析対象とした．看護単科大学と看護学部・学科のみの運営形態では委員の人数が少なく看護学専門家の割合が高かった．倫理審査に関する規程は，ほとんどの大学が整備・公表していた．委員会の予算があるのは46校（52.9％），研究実施過程のチェックシステムがあるのは28校（32.2％），新委員に対する研修があるのは11校（12.6％）であった．迅速審査の制度があるのは50校（57.5％）であった．　結論：看護学に特化した視点と学際的・多元的な視点を併せ持つ委員構成の実現，迅速審査の適正な導入と予算確保による委員の負担軽減，研究実施過程のモニタリング，倫理的資質の向上，等の課題が明示された．