杉並区の地域猫における重症熱性血小板減少症候群ウイルスに対する抗体保有状況調査の取組 : 地域猫の不妊去勢事業を利用したOne Healthアプローチ

動物由来感染症に罹患した地域猫や野良猫は,エサやりや不妊去勢手術事業(TNR)活動が活発な東京区部では,人への感染のリスクとなる。今回,新興動物由来感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関して,杉並区内の地域猫101頭と屋外に出る飼い猫41頭,合計142頭における抗体保有状況を調査した。採集された血清を用いてSFTSウイルス感染細胞溶解液を抗原とした酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を実施した。その結果,全てが陰性と判定された地域猫をセンチネルアニマル(歩哨動物)と位置づけることで地域の動物由来感染症の状況を把握し,早期対策に結び付けるOne Healthアプローチとして提案する...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 76; no. 6; pp. 262 - 266
Main Authors 畑, 孝, 平良, 雅克, 石嶋, 慧多, 前田, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.06.2023
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ISSN0446-6454

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Summary:動物由来感染症に罹患した地域猫や野良猫は,エサやりや不妊去勢手術事業(TNR)活動が活発な東京区部では,人への感染のリスクとなる。今回,新興動物由来感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関して,杉並区内の地域猫101頭と屋外に出る飼い猫41頭,合計142頭における抗体保有状況を調査した。採集された血清を用いてSFTSウイルス感染細胞溶解液を抗原とした酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を実施した。その結果,全てが陰性と判定された地域猫をセンチネルアニマル(歩哨動物)と位置づけることで地域の動物由来感染症の状況を把握し,早期対策に結び付けるOne Healthアプローチとして提案する。
Bibliography:ZZ00014801
947467
ISSN:0446-6454