市販漬物中の不揮発性アミン類含有量とそれらの含有由来

市販漬物中における不揮発性アミン類5種(プトレシン,カダベリン,ヒスタミン,チラミン,スペルミジン)の含有量と主な漬け原材料および生鮮野菜中のアミン類の含有量から漬物の種類による5種のアミン類の含有由来を類推した.漬物の種類によりアミン類の含有量には差が見られ,その中でヒスタミンおよびチラミンはそれぞれ6.0~264,2.0~369μg/gと比較的高い含有量であった.これらの含有由来は,醤油漬,味噌漬およびもろみ漬は,漬け原材料に由来してアミン類が検出されると考えられたが,ぬか漬,粕漬およびこうじ漬は,主な漬け原材料および生鮮野菜中からアミン類が認められなかったことから,製造過程中に微生物が関...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 59; no. 1; pp. 36 - 44
Main Authors 井部, 明広, 半田, 彩実, 川鍋, ひとみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.02.2018
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.59.36

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Summary:市販漬物中における不揮発性アミン類5種(プトレシン,カダベリン,ヒスタミン,チラミン,スペルミジン)の含有量と主な漬け原材料および生鮮野菜中のアミン類の含有量から漬物の種類による5種のアミン類の含有由来を類推した.漬物の種類によりアミン類の含有量には差が見られ,その中でヒスタミンおよびチラミンはそれぞれ6.0~264,2.0~369μg/gと比較的高い含有量であった.これらの含有由来は,醤油漬,味噌漬およびもろみ漬は,漬け原材料に由来してアミン類が検出されると考えられたが,ぬか漬,粕漬およびこうじ漬は,主な漬け原材料および生鮮野菜中からアミン類が認められなかったことから,製造過程中に微生物が関与して生成されたと考えられた.また,各漬物類中のアミン類含有量から勘案した結果,漬物中のアミン類は低値であるため,健康への影響は低いと考えられた.
Bibliography:ZZ00009680
920987
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.59.36