ぬか漬中のヒスタミンおよびチラミンの生成に関わる要因

ぬか漬には,不揮発性アミン類であるヒスタミン(Him)およびチラミン(Tym)を含有するものがあり,これらは発酵過程中に微生物が関与し生成されたと推察される.そこで,HimおよびTymを含む市販のキュウリのぬか漬からHimおよびTym産生菌の探索を試みたところ,それぞれ産生菌を単離し,Him産生菌はRaoultella ornithinolytica,Tym産生菌はLactobacillus curvatusと同定した.これらの産生菌をぬか漬の原材料である米ぬかを含む培地中でそれぞれ培養したところ,それぞれの培地中からHimおよびTymの産生が認められた.しかし,各産生菌がぬか漬中に存在しても...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 61; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 半田, 彩実, 井部, 明広, 川鍋, ひとみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.02.2020
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.61.1

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Summary:ぬか漬には,不揮発性アミン類であるヒスタミン(Him)およびチラミン(Tym)を含有するものがあり,これらは発酵過程中に微生物が関与し生成されたと推察される.そこで,HimおよびTymを含む市販のキュウリのぬか漬からHimおよびTym産生菌の探索を試みたところ,それぞれ産生菌を単離し,Him産生菌はRaoultella ornithinolytica,Tym産生菌はLactobacillus curvatusと同定した.これらの産生菌をぬか漬の原材料である米ぬかを含む培地中でそれぞれ培養したところ,それぞれの培地中からHimおよびTymの産生が認められた.しかし,各産生菌がぬか漬中に存在しても,必ずしもHimおよびTymが産生されるわけではなく,ぬか漬製造において,その産生量は前駆アミノ酸の量や共存する他の細菌によって影響を受けることが示唆された.
Bibliography:ZZ00009680
931953
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.61.1