ホウレンソウのウラン含有量の定量

「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」に基づき,ホウレンソウのウラン(U)含有量を定量した.はじめに,マイクロ波分解装置を用いる有効性を検討し,マニュアル法と同等の定量値が得られることを示した.短時間で試験溶液が調製できることから,緊急時に対応するためには非常に有効であると考えられた.また,ICP-MS測定の際に2種類の内標準元素(TlまたはBi)が示されているが,低濃度のUを定量する場合は,よりUに近い感度変化を示すTlを用いるほうが望ましいと考えられた.ただし,試料によっては微量のTlやBiを含有するものがあるため,あらかじめ試験溶液中のそれらの量を確認する必要があることがわかった....

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 54; no. 2; pp. 111 - 116
Main Authors 新矢, 将尚, 油谷, 藍子, 加田平, 賢史, 岸, 映里, 尾崎, 麻子, 清水, 充, 大嶋, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.04.2013
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.54.111

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Summary:「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」に基づき,ホウレンソウのウラン(U)含有量を定量した.はじめに,マイクロ波分解装置を用いる有効性を検討し,マニュアル法と同等の定量値が得られることを示した.短時間で試験溶液が調製できることから,緊急時に対応するためには非常に有効であると考えられた.また,ICP-MS測定の際に2種類の内標準元素(TlまたはBi)が示されているが,低濃度のUを定量する場合は,よりUに近い感度変化を示すTlを用いるほうが望ましいと考えられた.ただし,試料によっては微量のTlやBiを含有するものがあるため,あらかじめ試験溶液中のそれらの量を確認する必要があることがわかった.平成23年4~5月に購入したホウレンソウ9検体のU含有量を定量したところ,いずれも10μg/kg以下であった.
Bibliography:ZZ00009680
851913
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.54.111