食事の実測による若年女性のトランス脂肪酸摂取量
女子大学生25名を対象として,7日間の食事調査を実施し,積み上げ法によるトランス脂肪酸摂取量を計算した。さらに,そのうちの特定の1日を選び,調査者側で食事を再現した。得られた食事サンプルはフードカッターで細砕し均一化後,脂質およびトランス脂肪酸含有量を分析した。計算,あるいは実測から求められた総トランス脂肪酸摂取量の平均値(±標準偏差値)は,それぞれ,0.95±0.31 g,1.17±0.84 gであった。総トランス脂肪酸摂取量の分布は正の歪度を示し,はずれ値が1名(2.82 g),極値が2名(3.13 g,3.27 g)であった。若年女性のトランス脂肪酸摂取量はWHOの基準値であるエネルギー...
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Published in | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 61; no. 4; pp. 161 - 168 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
2008
日本栄養・食糧学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-3516 1883-2849 |
DOI | 10.4327/jsnfs.61.161 |
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Summary: | 女子大学生25名を対象として,7日間の食事調査を実施し,積み上げ法によるトランス脂肪酸摂取量を計算した。さらに,そのうちの特定の1日を選び,調査者側で食事を再現した。得られた食事サンプルはフードカッターで細砕し均一化後,脂質およびトランス脂肪酸含有量を分析した。計算,あるいは実測から求められた総トランス脂肪酸摂取量の平均値(±標準偏差値)は,それぞれ,0.95±0.31 g,1.17±0.84 gであった。総トランス脂肪酸摂取量の分布は正の歪度を示し,はずれ値が1名(2.82 g),極値が2名(3.13 g,3.27 g)であった。若年女性のトランス脂肪酸摂取量はWHOの基準値であるエネルギー比率1%未満を下回っており,したがって,トランス脂肪酸摂取の血清脂質に対する影響は懸念されるものではないと考えられる。しかしながら,トランス脂肪酸を高濃度に含む加工食品を摂取することで,1日のトランス脂肪酸摂取量が予測の範囲より高くなる可能性のあることが明らかとなった。 |
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Bibliography: | 761833 ZZ00014795 |
ISSN: | 0287-3516 1883-2849 |
DOI: | 10.4327/jsnfs.61.161 |