ブルーギル肝臓中のシステインジオキシゲナーゼ活性測定のための酵素の性状に関する研究

内部標準物質としてホモシステイン酸(HCA)を用いた OPA プレラベル-逆相 HPLC 法により,酵素反応によって生成するシステイン酸(CA)とシステインスルフィン酸(CSA)の量を測定して,ブルーギル肝臓中のシステインジオキシゲナーゼ(CDO)の性状を調べた。 HCA は,陽イオン交換カラム上を交換樹脂に吸着することなく回収され,OPA プレラベル-逆相 HPLC による分析では,CSA から少し遅れて溶出した。 一方,ブルーギルの CDO が最大の CA と CSA の生成を示す基質濃度や反応 pH は,哺乳類のそれと酷似していたが,その至適温度は27℃と低かった。また,ヒドロキシルアミ...

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Published inSuisan Zoshoku Vol. 69; no. 4; pp. 299 - 305
Main Authors 小野田, 寛, 今井, 恵子, 後藤, 孝信, 小林, 太郎, 山本, 将悟, 大矢, 虎太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本水産増殖学会 2021
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ISSN0371-4217
2185-0194
DOI10.11233/aquaculturesci.69.299

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Summary:内部標準物質としてホモシステイン酸(HCA)を用いた OPA プレラベル-逆相 HPLC 法により,酵素反応によって生成するシステイン酸(CA)とシステインスルフィン酸(CSA)の量を測定して,ブルーギル肝臓中のシステインジオキシゲナーゼ(CDO)の性状を調べた。 HCA は,陽イオン交換カラム上を交換樹脂に吸着することなく回収され,OPA プレラベル-逆相 HPLC による分析では,CSA から少し遅れて溶出した。 一方,ブルーギルの CDO が最大の CA と CSA の生成を示す基質濃度や反応 pH は,哺乳類のそれと酷似していたが,その至適温度は27℃と低かった。また,ヒドロキシルアミンや Fe2+はアミノ酸の生成に大きく影響し,それぞれの濃度が1.0 m m と0.05 m m の時に CA と CSA の生成が最大となった。さらに Mes 緩衝液よりもリン酸緩衝液中で多くのアミノ酸が生成したが,NAD+とバソクプロインジスルホン酸は,CA と CSA の生成に影響しなかった。
Bibliography:ZZ00008678
941085
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci.69.299