マイクロプレートを用いたマガキの人工授精方法の検討

マガキの効率的な人工採苗の技術開発に向け,精巣精子と卵巣卵のアンモニア海水による処理効果について調査するとともに,24穴マイクロプレートを用いて本種の適切な人工授精条件を検討した。海水へのアンモニアの添加によってマガキの精巣精子の運動率および卵巣卵の卵核胞崩壊(GVBD)率が上昇し,配偶子の成熟は促進されたものの,この処理による受精率の改善効果は認められなかった。これは,本種の精巣精子がアンモニア未添加の海水中でも運動性を有すること,並びに卵が第一減数分裂前期および中期の両ステージで受精可能であるためと推察された。マガキの適切な人工授精条件として,媒精時の精液と卵の量比は,0.75 m m ア...

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Published inSuisan Zoshoku Vol. 71; no. 3; pp. 137 - 145
Main Authors 青木, 秀夫, 磯和, 潔, 板金, 孝宜, 太田, 博巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本水産増殖学会 31.10.2023
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ISSN0371-4217
2185-0194
DOI10.11233/aquaculturesci.71.137

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Summary:マガキの効率的な人工採苗の技術開発に向け,精巣精子と卵巣卵のアンモニア海水による処理効果について調査するとともに,24穴マイクロプレートを用いて本種の適切な人工授精条件を検討した。海水へのアンモニアの添加によってマガキの精巣精子の運動率および卵巣卵の卵核胞崩壊(GVBD)率が上昇し,配偶子の成熟は促進されたものの,この処理による受精率の改善効果は認められなかった。これは,本種の精巣精子がアンモニア未添加の海水中でも運動性を有すること,並びに卵が第一減数分裂前期および中期の両ステージで受精可能であるためと推察された。マガキの適切な人工授精条件として,媒精時の精液と卵の量比は,0.75 m m アンモニア海水 2 ml あたり卵2万粒に対して精液0.5 µl 以上([精子数:卵数]は[>813:1]),媒精時間は30分程度であると考えられた。
Bibliography:ZZ00008678
950320
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci.71.137