クビアカツヤカミキリの侵入と防除対策

「はじめに」クビアカツヤカミキリ Aromia bungii(以下, クビアカ)はロシア極東部から中国, 朝鮮半島およびベトナム北部にかけて分布し, バラ科樹木を寄主とする樹木穿孔性昆虫である. 近年, イギリスやアメリカでの成虫の発見, ドイツ及びイタリアでの定着など世界各地でクビアカの侵入が報告されている. 日本国内においては, 2011年の埼玉県でのクビアカ成虫の採集記録が初めての報告である. 2012年には愛知県で国内最初の被害報告があり, その後各地で発見が相次ぎ, また侵入地域での被害拡大が報じられている. クビアカはこれまでサクラ類 Prunus spp., ウメ Prunus...

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Published inNihon Nōyaku Gakkai shi (2013) Vol. 45; no. 2; pp. 127 - 133
Main Author 山本, 優一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 20.08.2020
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ISSN2187-0365
2187-8692
DOI10.1584/jpestics.W20-37

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Summary:「はじめに」クビアカツヤカミキリ Aromia bungii(以下, クビアカ)はロシア極東部から中国, 朝鮮半島およびベトナム北部にかけて分布し, バラ科樹木を寄主とする樹木穿孔性昆虫である. 近年, イギリスやアメリカでの成虫の発見, ドイツ及びイタリアでの定着など世界各地でクビアカの侵入が報告されている. 日本国内においては, 2011年の埼玉県でのクビアカ成虫の採集記録が初めての報告である. 2012年には愛知県で国内最初の被害報告があり, その後各地で発見が相次ぎ, また侵入地域での被害拡大が報じられている. クビアカはこれまでサクラ類 Prunus spp., ウメ Prunus mume, モモ Prunus persica, スモモ Prunus salicinaといった私たちの暮らしに不可欠なバラ科樹木を加害することが報告されており, また生きている樹木を加害し枯死させることから, 何も対策を取らなければ産業面や文化面に甚大な影響を与えることが懸念されている.
Bibliography:935945
ZZ20502360
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/jpestics.W20-37