食品を介した有害物質摂取のリスク 放射性物質摂取のリスク
「1. はじめに」 食品には多様な有害物質が含まれ, その中でも特にリスク評価が難しく現在も評価手法の開発・改善が求められているものが放射性物質を含む「遺伝毒性発がん物質」に分類される一連の化合物である. この原稿では発がん物質のリスク評価の最近の動向を簡単に紹介し, その文脈での放射性物質による発がん性について検討を試みる. 「2. 発がん物質のリスク評価の歴史」 発がん物質とは, 厳密にはヒトにがんを誘発する物質のことであるが, 一般的にはもう少し拡大して実験動物でがんを誘発しその作用メカニズムがヒトにも当てはまるであろう物質も含めて指すことが多い. 食品中発がん物質については, 1958...
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| Published in | Shokuhin eiseigaku zasshi Vol. 54; no. 2; pp. 83 - 88 |
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本食品衛生学会
25.04.2013
日本食品衛生学会 |
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| ISSN | 0015-6426 1882-1006 |
| DOI | 10.3358/shokueishi.54.83 |
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| Summary: | 「1. はじめに」 食品には多様な有害物質が含まれ, その中でも特にリスク評価が難しく現在も評価手法の開発・改善が求められているものが放射性物質を含む「遺伝毒性発がん物質」に分類される一連の化合物である. この原稿では発がん物質のリスク評価の最近の動向を簡単に紹介し, その文脈での放射性物質による発がん性について検討を試みる. 「2. 発がん物質のリスク評価の歴史」 発がん物質とは, 厳密にはヒトにがんを誘発する物質のことであるが, 一般的にはもう少し拡大して実験動物でがんを誘発しその作用メカニズムがヒトにも当てはまるであろう物質も含めて指すことが多い. 食品中発がん物質については, 1958年の米国連邦食品医薬品化粧品法の食品添加物についてのデラニー条項で, 動物実験で発がん性が見られたものを食品に使用することは認められない, といういわば発がん性についてはゼロトレランスという考え方が採用されたことが最初の評価とみなせるだろう. |
|---|---|
| Bibliography: | ZZ00009680 851909 |
| ISSN: | 0015-6426 1882-1006 |
| DOI: | 10.3358/shokueishi.54.83 |