減容積手術を行った犬の脊椎原発骨肉腫3例

脊椎原発骨肉腫は犬では稀な疾患であり、その治療や予後に関する報告は少ない。本報告では減容積手術を実施した3例について述べる。症例1は雑種犬、12歳、雌、体重10kgで、第3腰椎の骨肉腫による進行性の後肢麻痺がみられた。減容積手術で麻痺は一時的に改善したが、その後麻痺が進行し、術後46日目に安楽死させた。症例2は雑種犬、8歳、雌、体重15 kgで、第12胸椎の骨肉腫による急性の後肢麻痺がみられた。減容積手術と6回のカルボプラチン治療により7ヶ月以上歩行機能の維持が可能であった。症例3はウエルッシュ・コーギー・ペンブローク、10歳、雄、体重11 kgで、第5胸椎骨の肉腫による後肢麻痺を急性発症した...

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Published in日本獣医麻酔外科学雑誌 Vol. 46; no. 2; pp. 37 - 41
Main Authors チェンバーズ, ジェームズ, 椎, 宏樹, 伊東, 輝夫, 内田, 和幸, 西, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会 2015
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ISSN2189-6623
2189-6631
DOI10.2327/jjvas.46.37

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Summary:脊椎原発骨肉腫は犬では稀な疾患であり、その治療や予後に関する報告は少ない。本報告では減容積手術を実施した3例について述べる。症例1は雑種犬、12歳、雌、体重10kgで、第3腰椎の骨肉腫による進行性の後肢麻痺がみられた。減容積手術で麻痺は一時的に改善したが、その後麻痺が進行し、術後46日目に安楽死させた。症例2は雑種犬、8歳、雌、体重15 kgで、第12胸椎の骨肉腫による急性の後肢麻痺がみられた。減容積手術と6回のカルボプラチン治療により7ヶ月以上歩行機能の維持が可能であった。症例3はウエルッシュ・コーギー・ペンブローク、10歳、雄、体重11 kgで、第5胸椎骨の肉腫による後肢麻痺を急性発症した。減容積手術を実施したが麻痺は改善せず、術後27日目に死亡した。以上の症例の治療経過から、脊椎骨肉腫の減容積切除は診断と緩和に有効であるが、予後は症例によって大きく異なることが示唆された。
ISSN:2189-6623
2189-6631
DOI:10.2327/jjvas.46.37