飼育下における植食性魚類ブダイの摂餌日周性,摂餌量の季節変化および摂餌選択性

海藻を餌とした延縄によるブダイの除去の効率化を検討するため,摂餌生態に関する飼育試験を行った。朝(5:00~10:00),昼(10:00~15:00),夕方(15:00~20:00),夜間(20:00~5:00)の本種のヒジキの摂餌量を調べた結果,朝は8.6 ± 4.7 g/kg-fish/h,昼は8.8 ± 3.4 g/kg-fish/h と多く,夕方は5.5 ± 2.5 g/kg-fish/h に減少した。なお,夜間は0.1 ± 0.1 g/kg-fish/h であり,摂餌していないと考えられた。また,ブダイを1年間飼育し,2ヶ月に1回クロメの摂餌量を把握した結果,6~8月の摂餌量は76....

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Published inSuisan Zoshoku Vol. 72; no. 1; pp. 59 - 68
Main Authors 門田, 立, 野田, 勉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本水産増殖学会 2024
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ISSN0371-4217
2185-0194
DOI10.11233/aquaculturesci.72.59

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Summary:海藻を餌とした延縄によるブダイの除去の効率化を検討するため,摂餌生態に関する飼育試験を行った。朝(5:00~10:00),昼(10:00~15:00),夕方(15:00~20:00),夜間(20:00~5:00)の本種のヒジキの摂餌量を調べた結果,朝は8.6 ± 4.7 g/kg-fish/h,昼は8.8 ± 3.4 g/kg-fish/h と多く,夕方は5.5 ± 2.5 g/kg-fish/h に減少した。なお,夜間は0.1 ± 0.1 g/kg-fish/h であり,摂餌していないと考えられた。また,ブダイを1年間飼育し,2ヶ月に1回クロメの摂餌量を把握した結果,6~8月の摂餌量は76.9~224.9 g/kg-fish/day であり,他の月(8.4~37.6 g/kg-fish/day)と比較して多かった。さらに,ヒジキ,ウミウチワ,シワヤハズ,パピラソゾ,マクサ,ミルの6種の海藻をブダイに給餌した結果,24時間後の被食率はヒジキが87.2 ± 19.7%となり,他の海藻(2.4~72.8 %)と比較して高い値であった。以上の結果から,延縄でブダイの除去を行う場合,春から初夏の午前中にヒジキを餌として実施すれば効率が良いと考えられた。
Bibliography:951469
ZZ00008678
ISSN:0371-4217
2185-0194
DOI:10.11233/aquaculturesci.72.59