農村における健康増進活動の費用効果分析に関する研究

農村における検診活動及び健康増進・生活改善を含む健康教育活動の費用効果について研究を行った。県の全市町村における国保医療費の分析では, 人口当たり保健師数と基本健康診査受診率が多いところほど, 老人及び一般の療養諸費が少なかった。また検診活動と健康教育活動が充実している市町村では, 一人当たり国保医療費が少なく, とくに老人医療費においてそれが著明であり, 経費に比べ医療費の軽減額が多かった。逆に, 一人当たり国保医療費の少ない町村では, 検診受診率, 在宅死亡率, 学習会参加率が高かった。国保レセプトの分析では, 検診を積極的に受診しているものほど, 国保医療費, とくに入院医療費が少ないと...

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Published inNihon Nōson Igakkai zasshi Vol. 51; no. 6; pp. 850 - 857
Main Author 松島, 松翠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2003
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.51.850

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Summary:農村における検診活動及び健康増進・生活改善を含む健康教育活動の費用効果について研究を行った。県の全市町村における国保医療費の分析では, 人口当たり保健師数と基本健康診査受診率が多いところほど, 老人及び一般の療養諸費が少なかった。また検診活動と健康教育活動が充実している市町村では, 一人当たり国保医療費が少なく, とくに老人医療費においてそれが著明であり, 経費に比べ医療費の軽減額が多かった。逆に, 一人当たり国保医療費の少ない町村では, 検診受診率, 在宅死亡率, 学習会参加率が高かった。国保レセプトの分析では, 検診を積極的に受診しているものほど, 国保医療費, とくに入院医療費が少ないという結果が得られた。胃検診は胃がん死亡率減少に効果があり, 逸失利益を含めれば, 費用効果が認められた。検診受診は, 有病率低下にはすぐには結びつかなかったが, 日常生活習慣の改善に効果が認められた。
Bibliography:ZZ00011651
670927
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.51.850