咳嗽に起因する迷走神経性発作性心房細動の犬の1例

粘液腫様変性性僧帽弁疾患ACVIM Stage Dにて内科的治療中であった10歳のポメラニアンが,発咳後に奇声を発して倒れるとの主訴で来院した。ホルター心電図検査では,発咳後の失神発作に一致して洞停止が11秒間続いた後,心房細動が約1分間持続していた。この洞停止と発作性心房細動が発咳後の失神発作と時期を一にして発生していたことから,神経調節性失神(咳嗽失神)ならびに迷走神経性発作性心房細動と診断された。本例は,ホルター心電図検査が終了した翌日にうっ血性心不全による肺水腫をきたし,入院治療を施したが反応せずに死亡した。心臓の病理組織学的検査において,洞結節を含めた刺激伝導系に著変は認められなかっ...

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Published inDōbutsu no junkanki Vol. 56; no. 2; pp. 101 - 105
Main Authors 末松, 弘彰, 町田, 登, 福島, 隆治, 末松, 正弘, 平尾, 大樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 日本獣医循環器学会 2023
Japan Science and Technology Agency
Subjects
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ISSN0910-6537
1883-5260
DOI10.11276/jsvc.56.101

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Summary:粘液腫様変性性僧帽弁疾患ACVIM Stage Dにて内科的治療中であった10歳のポメラニアンが,発咳後に奇声を発して倒れるとの主訴で来院した。ホルター心電図検査では,発咳後の失神発作に一致して洞停止が11秒間続いた後,心房細動が約1分間持続していた。この洞停止と発作性心房細動が発咳後の失神発作と時期を一にして発生していたことから,神経調節性失神(咳嗽失神)ならびに迷走神経性発作性心房細動と診断された。本例は,ホルター心電図検査が終了した翌日にうっ血性心不全による肺水腫をきたし,入院治療を施したが反応せずに死亡した。心臓の病理組織学的検査において,洞結節を含めた刺激伝導系に著変は認められなかった。
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
951100
ZZ00011639
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc.56.101