EOF解析を用いた北浦の湖流変動要因の検討

北浦の湖内8地点において超音波ドップラー流速計を用いて実施した流況観測結果に対し,気象学や海洋学において広く用いられるEmpirical Orthogonal Function(EOF)解析を適用し,湖流の変動要因について検討を行った。北浦の長軸方向の流速であるNS成分に対するEOF解析から求められたMode 1の分散寄与率は74.9-93.3 %と高く,流れの時系列データに含まれる変動のほとんどをMode 1だけで説明可能であった。Mode 1と風との相関は高く(r=0.70-0.87),北浦における湖流の変動要因は主に風の変動であると推察された。Mode 2の分散寄与率は18 %未満であり...

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Published inRikusuigaku zasshi Vol. 69; no. 1; pp. 39 - 49
Main Authors 小松, 伸行, 本間, 隆満, 渡邊, 圭司, 石井, 裕一, 根岸, 正美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本陸水学会 2008
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ISSN0021-5104
1882-4897
DOI10.3739/rikusui.69.39

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Summary:北浦の湖内8地点において超音波ドップラー流速計を用いて実施した流況観測結果に対し,気象学や海洋学において広く用いられるEmpirical Orthogonal Function(EOF)解析を適用し,湖流の変動要因について検討を行った。北浦の長軸方向の流速であるNS成分に対するEOF解析から求められたMode 1の分散寄与率は74.9-93.3 %と高く,流れの時系列データに含まれる変動のほとんどをMode 1だけで説明可能であった。Mode 1と風との相関は高く(r=0.70-0.87),北浦における湖流の変動要因は主に風の変動であると推察された。Mode 2の分散寄与率は18 %未満であり,その変動には鰐川流量の影響が部分的に見られた。EOF解析の適用は湖流の研究にも有効であり,北浦の湖流形成における風の影響を定量的に評価することができた。
Bibliography:761565
ZZ00016414
ISSN:0021-5104
1882-4897
DOI:10.3739/rikusui.69.39