きのこの菌床栽培袋を用いた効率的なマツノザイセンチュウの大量増殖

マツノザイセンチュウ(以下,線虫と呼ぶ)の大量増殖方法は,精麦したオオムギを用いた培地20gをガラスシャーレに入れて培養する手法が一般的であるが,必要な線虫数が多いと培養にかかる作業量が過大になりがちである。そこで著者らは,食用きのこの菌床栽培に用いられる栽培袋に着目し,この袋に多量のオオムギを入れることにより作業効率が向上できないか検討した。オオムギを用いた培地を計2,000 g入れたシャーレ100枚と,計1,700 g入れた栽培袋6袋で培養を行った。その結果,菌床用栽培袋でも線虫を培養することが可能であった。両者の採取できた線虫数に大きな違いはなかったが,線虫の培養にかかる一連の作業時間は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNihon Shinrin Gakkaishi Vol. 100; no. 5; pp. 182 - 185
Main Authors 中村, 人史, 渡部, 公一, 宮下, 智弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本森林学会 01.10.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-8509
1882-398X
DOI10.4005/jjfs.100.182

Cover

More Information
Summary:マツノザイセンチュウ(以下,線虫と呼ぶ)の大量増殖方法は,精麦したオオムギを用いた培地20gをガラスシャーレに入れて培養する手法が一般的であるが,必要な線虫数が多いと培養にかかる作業量が過大になりがちである。そこで著者らは,食用きのこの菌床栽培に用いられる栽培袋に着目し,この袋に多量のオオムギを入れることにより作業効率が向上できないか検討した。オオムギを用いた培地を計2,000 g入れたシャーレ100枚と,計1,700 g入れた栽培袋6袋で培養を行った。その結果,菌床用栽培袋でも線虫を培養することが可能であった。両者の採取できた線虫数に大きな違いはなかったが,線虫の培養にかかる一連の作業時間は前者が407分,後者が76分と大きく異なった。栽培袋による作業時間はシャーレの場合と比べて20%程度となった。栽培袋を用いることによって,線虫の培養作業を大幅に効率化できると考えられた。
Bibliography:ZZ20018854
925530
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.100.182