穂の握り締めによるイネ品種の脱粒性評価方法について
イネ品種の脱粒性を穂の握り締めによって簡便かつ正確に評価する方法を明らかにするため,脱粒性が「難」の3品種,「中」の2品種,「易」の1品種,「極易」の1品種の計7品種を供試して,一度に握る穂数を1穂,3穂,5穂の3通りとし,4人の調査者がそれぞれ50株を測定したデータに基づき,評価指標,一度に握る穂数,調査株数を検討した.評価指標としては,調査者の手の大きさや一度に握る籾数の影響を受け難い脱粒割合が妥当と判断された.一度に握る穂数別に4人の調査者間の6組合せにおける脱粒割合の相関係数の平均値を求めたところ,3穂では0.996と極めて大きく,5穂の0.990と1穂の0.975に比べても大きかった...
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| Published in | Japanese journal of crop science Vol. 81; no. 2; pp. 201 - 206 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本作物学会
2012
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| Subjects | |
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| ISSN | 0011-1848 1349-0990 |
| DOI | 10.1626/jcs.81.201 |
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| Summary: | イネ品種の脱粒性を穂の握り締めによって簡便かつ正確に評価する方法を明らかにするため,脱粒性が「難」の3品種,「中」の2品種,「易」の1品種,「極易」の1品種の計7品種を供試して,一度に握る穂数を1穂,3穂,5穂の3通りとし,4人の調査者がそれぞれ50株を測定したデータに基づき,評価指標,一度に握る穂数,調査株数を検討した.評価指標としては,調査者の手の大きさや一度に握る籾数の影響を受け難い脱粒割合が妥当と判断された.一度に握る穂数別に4人の調査者間の6組合せにおける脱粒割合の相関係数の平均値を求めたところ,3穂では0.996と極めて大きく,5穂の0.990と1穂の0.975に比べても大きかった.また,3穂では相関係数のばらつきを表すレンジも最小であった.再現性が高く,調査者による評価の差異が最も小さい調査方法は,3穂を握り締める方法であった.脱粒割合を算出するために用いる脱粒数平均値を危険率5%,抽出誤差率を±10%として調査するために必要な調査株数は,脱粒性の難易によって差異があり,「難」の品種は41~46株,「中」では24~32株,「極易」では14~18株であった.脱粒性が未知の品種の評価に際し,正確な評価のために必要な調査株数は45株程度と判断した. |
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| Bibliography: | 832058 ZZ00014890 |
| ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
| DOI: | 10.1626/jcs.81.201 |