スギ在来品種の成長パターンおよび選抜への遺伝と植栽密度の影響

本研究では,スギ在来品種6品種が3段階の植栽密度(5,000,3,000,1,500本/ha)で植栽されたスギ品種別・植栽密度別比較試験林における28年生次の樹幹解析データを用いて,成長への品種および植栽密度の影響を解析するとともに,低密度植栽を想定した間接早期選抜の効率について検討した。樹高成長の成長パターンには遺伝の影響が大きく,異なる植栽密度でも品種特有の成長パターンが維持されることが示された。また,胸高直径成長には品種・植栽密度の両者が影響することが示された。樹高は成長期間を通して植栽密度の影響および品種と植栽密度の交互作用の影響は小さく,造林地における樹高の制御についての品種選択の重...

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Published inNihon Shinrin Gakkaishi Vol. 98; no. 2; pp. 45 - 52
Main Authors 高橋, 誠, 平岡, 裕一郎, 武津, 英太郎, 佐藤, 嘉彦, 渡辺, 敦史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本森林学会 01.04.2016
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ISSN1349-8509
1882-398X
DOI10.4005/jjfs.98.45

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Summary:本研究では,スギ在来品種6品種が3段階の植栽密度(5,000,3,000,1,500本/ha)で植栽されたスギ品種別・植栽密度別比較試験林における28年生次の樹幹解析データを用いて,成長への品種および植栽密度の影響を解析するとともに,低密度植栽を想定した間接早期選抜の効率について検討した。樹高成長の成長パターンには遺伝の影響が大きく,異なる植栽密度でも品種特有の成長パターンが維持されることが示された。また,胸高直径成長には品種・植栽密度の両者が影響することが示された。樹高は成長期間を通して植栽密度の影響および品種と植栽密度の交互作用の影響は小さく,造林地における樹高の制御についての品種選択の重要性が示された。また,従来の林木育種の遺伝的評価の結果を異なる植栽密度での利用に適用できることが示された。一般的な植栽密度下の試験地を用いて低密度下での28年次の樹高成長を目的に選抜する際には,獲得量の8割を得るためには約15年が必要であることが示された。
Bibliography:903213
ZZ20018854
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.98.45