水道水中のイミノクタジン・ジクワット・パラコートLC/MS/MS一斉分析法の妥当性評価

著者らが開発した水道水中のイミノクタジン,ジクワットおよびパラコートLC/MS/MS一斉分析法を水道水質検査に適用できるかどうかを評価するため,12機関(水道事業体4機関,衛生研究所1機関,登録検査機関3機関および分析機器メーカー4機関)において,分析法の妥当性を評価した。各機関で採取した水道水に3農薬をそれぞれ目標値の1/10以下(0.5 μg/L)および1/100以下(0.05 μg/L)となるように添加した試料を全機関が本分析法により分析し,各機関の分析条件を比較するとともに,検量線,選択性,真度,併行精度および室内精度について評価した。検量線の直線性および選択性に関しては,3農薬いずれ...

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Published in環境科学会誌 Vol. 29; no. 1; pp. 3 - 16
Main Authors 市川, 千種, 佐久井, 徳広, 大倉, 敏裕, 水田, 裕進, 塚本, 多矩, 林田, 寛司, 山本, 五秋, 五十嵐, 良明, 齋藤, 信裕, 齊藤, 香織, 木村, 謙治, 宮﨑, 悦子, 木村, 慎一, 小林, 憲弘, 平林, 達也, 古川, 浩司, 粕谷, 智浩, 久保田, 領志, 中村, 弘揮, 京野, 完, 宮本, 紫織, 髙原, 玲華
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2016
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ISSN0915-0048
1884-5029
DOI10.11353/sesj.29.3

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Summary:著者らが開発した水道水中のイミノクタジン,ジクワットおよびパラコートLC/MS/MS一斉分析法を水道水質検査に適用できるかどうかを評価するため,12機関(水道事業体4機関,衛生研究所1機関,登録検査機関3機関および分析機器メーカー4機関)において,分析法の妥当性を評価した。各機関で採取した水道水に3農薬をそれぞれ目標値の1/10以下(0.5 μg/L)および1/100以下(0.05 μg/L)となるように添加した試料を全機関が本分析法により分析し,各機関の分析条件を比較するとともに,検量線,選択性,真度,併行精度および室内精度について評価した。検量線の直線性および選択性に関しては,3農薬いずれも良好な結果であった。真度,併行精度および室内精度については,農薬によって評価が分かれる結果となった。ジクワットおよびパラコートについては,全ての機関で真度および併行精度が「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の目標を満たし,さらに室間精度が同ガイドラインの室内精度の目標を満たしたことから,本分析法は全国の水道水質検査に適用可能と考えられる。一方,イミノクタジンについては,幾つかの機関で真度および併行精度が悪く,それに伴い室間精度も室内精度の目標を満たさなかった。イミノクタジンは,3農薬の中で最も吸着性が高いことから,真度の低かった機関は,前処理操作中に器具あるいは容器への吸着が起こった可能性が考えられる。イミノクタジンの水道水質検査を行う際には,使用する器具・容器の選定や試料の前処理を含めた一連の操作に細心の注意を払うことが重要と考えられる。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj.29.3